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「あおられる方にも原因がある」という意見が加熱!安全運転は危険なの?

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 あおり運転が社会問題化している昨今ですが、ネット上には、「あおられる方にも原因がある」とする書き込みも多く見受けられます。

その中には、冷静な分析もあれば、自分の行為を暗に正当化しようという心理も混じっています。

制限速度を守ることにも厳しい声

「あおられる方にも原因がある」「あおられる方も悪い」とする意見の多くは、「周りの流れを無理してトロトロ走っている」、「スピードが遅いのに追い越し車線を譲らない」といったものです。

日本では残念なことに、制限速度をキッチリと守って流れている道路というのはほとんどありません。多くの場合はプラス10km/h〜15km/h程度で流れている道路が多いのが現実です。 そのため、制限速度以下でノロノロと運転しているクルマは煽られやすくなります。 引用/新車・自動車ニュースのWEBマガジン CarMe[カーミー]

これらの意見を読み違えて、法定速度ちょうどくらいで走行する車にさえ、自分が単に思うようなスピードで走れないという程度の場合でも「チンタラ走るんじゃねえ」と、攻撃の対象としているケースがあるのではないでしょうか。

 

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追い越し車線をめぐる意見

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高速道路(自動車専用道路)において右側の「追い越し車線」は、追い越しだけのためのレーンです。 なので、通常は、左の車線を走行するのが基本です。

比較的遅い速度の車両は、当然に左側の車線を走るべきです。

幹線道路や高速道路では、一番左の車線を走ること。
そもそも、追い越し車線の連続走行は、通行帯違反であり、道交法でも、「後続車に追いつかれた場合は、できる限り道路の左側端に寄って、進路を譲らなければならない」と義務づけられている。
左側車線で、前走車とほどほどの車間距離をキープして、流れに乗って走っていれば、煽られる心配はほとんどないはず。
引用/Re:Sound To Mind

しかし、このことを心得ていても、あおられることは日常茶飯事です。

追い越し車線は常時ぶっ飛ばしていい?と勘違い

インターチェンの合流地点で合流してくる車両を避けるために、やむなく追い越し車線に車線変更することはありますね。

そこで、戻るタイミングを見計らっているうちに、後方からものすごいスピードで迫ってきた車両にピタリと車間を詰められ怖い思いをしたことはありませんか。

彼らは、追い越しのために追い越し車線を走っているのではなく、最初から最後まで追い越し車線を走っています。

当然、法定速度を守っている車両は1台もありません。

自己肯定の口実に使ってはいけない

最近の「あおられる方にも原因がある」論は、道路を我が物顔で運転する連中が、自分を肯定するための口実に使われている側面が出てきているようです。

「あおられる方にも原因がある」というフレーズが、まるで「原因を作っている方も悪い」のようなニュアンスで解釈解釈され、広がってしまうことは、とても怖いことです。

悪い人たちに付け入るスキを与えてしまったかもしれませんが、法定速度を守ることは、決して非難されることではないはずです。

「あおられる方にも原因がある」と強く主張する人たちの中には、「いじめられる方にも原因がある」論と同じく、自分の良くない行動をも正当化したい、という人たちがいくらか含まれているのではないでしょうか。

「追い越し車線」は、追い越しのためのレーンであって、制限速度を無視して常時ぶっ飛ばして良い車線ではないのです。

 

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周りに合わせることが必要という論説も

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大手ネットメディアでも、「あおられる原因」について言及しています。

「あおり運転」被害に遭わないための危険回避の行動として紹介するのであれば納得できますが、まわりに合わせることを過度に要求しているかのような論調も見受けられます。

流れを阻害するペースで走ることは道交法の理念に反する。だからこそ免許取得には円滑に走れる技量が要求されます。
引用/サンスポ.com
・制限速度を守っているのだからいい  
こういった意見はよく聞く。また「自分は運転しないから関係ない」という人もいるかもしれない。
そういった人は友人や上司やタクシーやバスに乗った時も速度違反に対し忠告しているのか? 
本当に守ろうとすれば、安全確保のため制限速度の改訂が必要。私のように制限速度をビタ1km/hも超えないドライバーの意見なら真摯に耳を傾ける。
引用/サンスポ.com

残念ながらプロのレースドライバーの発言です。この論説文では、技術や判断力が高度なドライバー以外は口を挟むなとでも言いたげな雰囲気が漂っています。

しかし、道路上には、ベテラン運転手や機敏な若者が車を運転している一方で、初心者もいるし、はじめて走るエリアの道路に慣れていない人もいます。

もちろん、車道を利用するには、的確な運転技術や歩行者より格段に高いルール・マナーが要求される危険な場所に違いありません。

それにしても、ハンドルを握ると他者への配慮が、とたんに希薄になる人が多いように思うのは私だけでしょうか。

 

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自己防衛の必要性

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先述の論説文の筆者である国沢光宏氏(ラリードライバーで自動車評論家)は、同じ論説文の中でこう言っています。

外出するときにカギを掛けるのと同じく、あおり運転を招くような自分勝手な運転は考えて欲しい。 引用/サンスポ.com

その人の技量に合わせた安全運転と「自分勝手」とを混同しないでいただきたいとも思います。家のカギを忘れるのは落ち度かもしれませんが、自分勝手とまで言われると戸惑いますね。

なお、同じ筆者は、別の記事でこう言っています。

繁華街で肩をイカらして歩いている風体の悪いヤツが居たら、関わり合いにならないよう行動するのと同じ。人間、ある一定の割合で犯罪気質が混ざる。これには防衛努力も必要。
引用/サンスポ.com

どうせ言うなら、このフレーズこそ強調すべきだったのではないでしょうか。

弱者を狙っている悪質ドライバーがいる

フリーライターの橋本愛喜氏は、次のように述べています。

1.運転弱者 初心者や女性、高齢者の中には、運転が得意ではない「運転弱者」が比較的多く存在する。
 彼らの場合、無意識のうちに、無駄なブレーキを頻繁に踏んだり、車間が上手く取れず詰めすぎたり、出すスピードが安定しなかったりすることで、周囲のドライバーをイライラさせてしまうことがあるが、こうした彼らの運転が、後述する「煽る側」の引き金になることがある。
 中には、運転弱者ばかりを狙う悪質なドライバーもおり、初心者や高齢者が理解を得るために貼っている「マーク」がむしろ、彼らに向けた「目印」になっているのも事実だ。
引用/msnニュース

 

まとめ

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繰り返しになりますが、「あおられる方にも原因がある」は、決して「原因を作っている方も悪い」ということではありません。

世の中には、危険な連中がいっぱいいるから、スキを見せて被害に遭うことのないように自己防衛しましょう、ということです。

「あおられる方にも原因がある」というフレーズを使うときには、自分の良くない行動を正当化する道具に使っていないかどうが、今一度、自分の胸に手を当てて考えてみたいものです。

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