職場でのハイヒール・パンプス強制について根本匠厚生労働大臣が国会答弁した内容が波紋を呼んでいます。
個人的な思いとしては、このことだけを取り上げてピンポイントで大臣を追及しても、何も変わりませんよ、と言いたい。
非合理的な悪しきマナーに対する日本人全体の考え方や歪んだ美意識に問題の根底があるような気がしてなりません。
パンプス・ハイヒール騒動の論点 #KuToo
2019年6月5日の衆議院厚生労働委員会で、立憲民主党の尾辻かな子議員が、女性に職場でハイヒールやパンプスの着用を義務付けることの是非について質問し、根本匠厚生労働大臣が「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲」という趣旨の答弁をしました。
これが、「パンプス強制か」「パワハラなのでは」「健康被害を知っているのか」と反論されているわけですね。
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非合理的な悪しきマナー
社会通念上マナーと解釈されているものの中には、非合理的で意味不明なものが沢山あります。
その中の最も顕著な例が「ハイヒール・パンプス」問題なのでしょう。
ハイヒールは、一説には、紀元前400年代、アテネで、背を高く見せるハイヒールが遊女間に流行したのが始まりといいます。
つまり商売道具です。その美的感覚を表現した方が利益を生み出しやすいと考えたのでしょう。
商売に直接影響しなくても、社会の中で自分を良く見せようと、それはどんどんエスカレートしていきます。
ヒールばかりでなく、靴底全部が高い「厚底」なるものまで生み出しました。
遠くの国の部族の仰天マナー
画像出典/世界を旅する治療家 カキザワ
遠い国の部族の中には、日本では考えられないような風習が存在します。
首にリングをはめていく首長族、唇に大きな皿をはめたムルシ族も然り、美意識がエスカレートして、生活しづらいものになっちゃうのですね。
しかし、それがいつしかその部族では、自分が所属する社会を生きるための「マナー」に変貌していったのでしょう。
さらに、日本においては、就活生を対象にした行き過ぎたマナー講習や日本人特有の横並び意識も大きく影響しているのかもしれません。
このゆがんだ美意識を変えない限り、ハイヒール問題は無くならないのではないでしょうか。
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極端な画像加工をする女性たち
SNSを開くと、まるで宇宙人のグレイのように目を大きく加工した女性の姿が沢山登場します。
「目が大きい方がかわいいに違いない」という強迫観念に取りつかれているかのようです。
筆者的には、はっきり言って“気持ち悪い”と感じてしまいます。
言葉の選び方は難しいですが、外見の一部に固執して競うのではなく、内側から健康的で無理のない美しさに価値を見出す風潮ができないと、ハイヒール問題は解決しないと思います。
女性たち自身の考え方ばかりでなく、その背景には、もちろん男性たちの視線もあるのだと思いますが、グレイの目をした女性たちに「ナチュラルのままの方がキレイだよ」と言ったところで、「別にアンタらのためにやってるんじゃないからっ!」と反論されるのは目に見えています。
ちなみに大臣の答弁を確認
ちなみに大臣の答弁は下記のような内容です。
「ハイヒールやパンプスの着用については、それぞれの業務の中でそれぞれの対応がなされていると思いますが、たとえば労働安全衛生の観点からは腰痛や転倒事故につながらないよう、服装や靴に配慮することは重要であって、各事業場の実情や作業に応じた対応が講じられるべきと考えております。それぞれの職場がどういう状況にあるのかということで、一般的にはそれぞれの職場での判断だろうと思います」
二回目の答弁では次のように答えています。
「女性にハイヒールやパンプスの着用を指示する、義務付ける、これは社会通念に照らして、業務上必要かつ相当な範囲かと、この辺なんだろうと思います。それぞれの業務の特性がありますから」
クールビズのスタイルが一般化してきた今でも、30度もある真夏に営業マンが汗を垂らしながらスーツの上着を着ているのを見かけます。
業務上必要なのかどうかということについてですが、上着を脱いで訪問してきた営業マンを失礼だと思う連中が多いから必要なのです。
そういう連中がいなくならない限り、営業ノルマに追われる営業マンはスーツの上着を着続けます。
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