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経験者が語る_ヘヴィメタルのカタルシス効果が世界を救う

 

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偏見の目で見られることの多いヘヴィメタルという音楽。しかし、近年、この音楽がもたらす様々な効果が評価されつつあります。

 

これらの分析からは、悩める青少年を救うばかりでなく、犯罪抑止にも貢献するのではないかと筆者は考えます。

 

筆者の体験も合わせて振り返りながら、ヘヴィメタルの効果について考えてみましょう。

 

恋愛モノばかりの流行歌に共感できない少年たちは何を聴くのか?

その時代、時代に様々なヒット曲があり、テレビやラジオを付けると自然と耳に入ってくる音楽。

 

流行歌の数々は決まりきったように男女がくっついただの別れただの、恋愛の歌ばかり。

 

中学・高校生時代の筆者は、「愛だの恋だの薄っぺらい歌を唄ってんじゃねーよ」そう思っていました。

 

つまり、“もてない君”には、恋愛なんて別世界の話。良いメロディだとは思っても、これらの歌は心から共感できるものではなかったのです。

 

80年代ヘヴィメタルとの出会い

そんな時に出会ったハードロック/ヘヴィメタル。

アナログレコードのライナーノーツをめくると、国民を戦争へと掻き立てる浅はかな権力者への示唆に満ちた歌詞、恐怖に立ち向かう青年の葛藤、社会の端っこでひそかに将来への夢を抱く少年の思い・・・

 

激しいリズムに乗る歪んだギターの音と悲し気なフレーズ、そして絶叫するボーカル。

今にも爆発しそうな思春期特有の不安・怒り・悲しみは、ハードロック/ヘヴィメタルの中に吸い込まれ、一時の安堵に身をゆだねたのです。

 

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ヘヴィメタルの精神的効果が評価されている


1970年代~1990年代に多感な少年・少女時代を過ごした人の中には、「ハードロック・ヘヴィメタルに救われた」と感じている人が多いのではないでしょうか。

 

80年代のヘヴィメタルブームが去ってから、2000年代に入ってからでしょうか、にわかにヘヴィメタルによる精神的な効果が評価されるようになり、心理学者や脳科学者らによる様々な調査結果が反響を呼んでいます。

 

ウエストミンスター大学の心理学者Viren Swami氏の研究によると、ヘヴィメタル好き(以降メタラーと呼ぶ)は、好奇心旺盛で人と違うことがしたい性格である一方、“権力が嫌い”で"自尊心が低い"傾向があることが分かったといいます。

【参考】ヘビメタファンの性格を英大学が調査「彼らは権威を嫌い、自尊心が低い」


ヘヴィメタルが自己肯定感を高めるメカニズム

自尊心の低さとヘヴィメタル好きは、どう繋がっているのでしょうか。

 

筆者は「モテない」、「スポーツが苦手」、「勉強にもついてゆけない」、「会話がへたくそ」など、様々な劣等感を抱いていました。

 

当然に自尊心は低くなっていきます。そしてヘヴィメタルという音楽に惹かれていったのです。

 

前述のウエストミンスター大学の調査では、「ヘビーメタルがもたらすカタルシスが自己肯定感を高め、低い自尊心を埋め合わせてくれるのでは」と研究者たちが仮説を述べているとのこと。

 

ちなみに、「カタルシス」とは、「三省堂 辞書ウェブ」によると、「心の中に溜まっていた澱(おり)のような感情が解放され、気持ちが浄化されること」を意味するそうです。


ヘヴィメタルが心の怒りを鎮める

オーストラリアのクイーンズランド大学のLeah Sharman氏らの調査によると、怒っている人に極端にテンポや音程を動かす音楽(エクストリーム・ミュージック)を聞かせると、怒りが静まり前向きな気持ちになることが明らかにされたといいます。

そして、「怒りを誘発することも敵意を促すこともない」と分析しています。


【参考】【意外?】ヘビメタを聴くと怒りがおさまり前向きになれることが明らかに:調査結果


欺瞞うずまく現代の個人の在り方を促す

2019年になり、話題となった書籍は、日本の脳科学者・中野信子氏による次の書籍です。


 

「メタル脳 天才は残酷な音楽を好む」単行本   2019/1/30発売/中野 信子 著

 

角川書店による解説では、次のように紹介されています。

その音楽性やスタイルゆえに世間から疎まれがちなヘヴィメタル。しかし様々な研究によって、このサウンドが持つ効能やファンの特性が明らかになった結果、世界中の科学者からポジティブな評価を得るに至っています。
脳科学・心理学的な縦横無尽のアプローチを重ねた末、中野の考察はヘヴィメタルが果たすであろう社会的役割にも到達します。世の欺瞞や偽善を鋭く訴える一方、怒りや絶望といったネガティブな感情を緩和させ、正義の感覚を醸成させるこの音楽は、現代社会における自立した個人のあり方を促すのではないか。
引用/KADOKAWA


暗部から目をそらさないこと

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自尊心の低かった筆者は、必然のように、成功者よりも社会の底辺部に同情を寄せるようになります。

 

そんな中で、ヘヴィメタルでは、政治のゆがみや社会問題など、世の中の暗部に着目した歌詞が多かったりします。

 

このことが、まるで「この音楽は自分の心の闇すらも理解してくれている」という感覚を持たせてくれたのでしょう。

 

また、ある時は、ヘヴィメタルは、神秘的なファンタジーの世界を持っていたりもします。

 

激しいギターのリフを聴きながら、怒りも悲しみもまるごと、そのファンタジーの中に放出し、若かりし頃の筆者は、かろうじて平静を保っていたのかもしれません。

 

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自尊心を回復させたヘヴィメタル

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やがて筆者は、バンド活動をはじめ、未熟ながらも自作曲でCDを録音したり、ライブをしたりしました。

 

完全なアマチュアですが、ごくたまに、「この曲が好きだ」、「Ipodに入れて聴いてます」という反応をもらったりすることもありました。

 

それよりも、バンドでのスタジオ練習が終わってから帰宅後に、練習音源を聴きながら一人で飲む酒が旨かった。

 

オリジナリティの表現

やがて筆者には、自尊心が芽生えました。

決してメジャーでは無い世界で、何に迎合するでもなく、オリジナルな表現ができたという自負があったからです。

 

こんな筆者も、今では一児の父親です。

多数に迎合せず、人と違ったオリジナリティを大切にしながら、自尊心を回復できたことは、貴重な体験でした。

まるで犯罪者が更生する過程のようです。

 

ヘヴィメタルと出会っていなかったら、暗闇をさまよった心が危険な道を歩んだかもしれません。


ヘヴィメタルは犯罪抑止力になる?

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・後を絶たない無差別殺人

通り魔などの無差別殺人が頻繁に発生するようになった平成、そして令和に入ってからも次々と異常な精神状態の犯罪が後を絶ちません。

 

このような事件が起ると、当然、被害者の無念に皆が心を寄せるわけです。

罪のない人を傷つけたり命を奪った犯人の行動は断じて許されるべきではなく、言い訳も許されません。

 

しかし、一方で、二度と同じような犯罪を起こしてはならないと考えるなら、二度と同じような悲しみを作らないようにと考えるなら、犯罪者心理を解明し、心の闇を少しでも明るくすることに注力すべきではないでしょうか。

 

犯人の言い訳を許すのではなく、同じような犯罪の芽をあらかじめ摘み取っておく努力を社会全体が考えるべきだと思います。

 

犯人を憎むだけでは何も変わりません。

私は、ヘヴィメタルがその役に立てるのではないかと思います。

・メタルは心の闇に寄り添う

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前記のような犯罪者は、一般社会に対する恨みのような感情が強いのが特徴です。

誰か特定の人物が嫌いなのではなく、一見無関係で普通に暮らしている幸せな人たちが憎いという心理状態です。

世の中全てが絶妙な連携で不幸な自分を作り上げているという錯覚に陥っています。

 

そんなとき、ヘヴィメタルは、あなたの心の闇に寄り添います。

激しい恨みや怒り、猟奇的な欲望も、悲しみも、むなしさも、社会の底辺の一番暗い部分も、あなたを代弁して表現しています。

 

だから、むさぼるようにメタルを聴きまくってください。きっと好みの表現と出会い、気持ちが楽になり、いつしか浄化され、心の平穏が訪れることでしょう。

 

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